新連載がはじまります。
題して、「4D GARDEN (4次元ガーデン)」。
第一回目は、4次元ガーデンとは一体ナンなのかを説明する。
16.October,2006
4次元ガーデンとは?
これはまたボクの造語である。
東京で見つけたミニマルな庭の事を指す。
東京の住宅は土地が狭く、庭として機能できる土地を持っている人は多くない。
大抵が家のまわりに毛の生えただけのような庭しかない。
しかし、東京を歩いていて、緑が少ないとは全く感じないのだ。
皆工夫して、狭い庭をどうにか最大限利用しようとする。
その努力が新しい庭を産み出した。
全く土地がないのに壁に植木をぶら下げた庭。
公道までこっそりはみだしている庭。
家の中に作ったジャングルのような庭・・・。
土地がないのを反転させて、彼らは自分の脳みそを使って新しい概念の庭を作ったのだ。
それは3次元の庭ではない。
人がもう一つの直感を使って感じる庭、4次元の庭なのだ。
僕はそれらの素晴らしいコンセプチュアルな庭をみているうちにある庭を思い出した。
それは龍安寺の石庭と銀閣寺の砂の庭。
これらはふたつともまったく植物を使っていない。砂と石だけだ。
それでもそれらは庭と見なされ、愛されてきた。
日本人の庭に対する感覚はイングリッシュガーデンとは全く違うものである、そう直感した。
現代の4次元ガーデンと室町時代の枯山水にはある共通性がある。
そこには日本人特有の空間について感覚が如実に現れている。
僕は京都の古来の庭園の本を作るが如く、東京の4次元ガーデンの本を作りたいと思うようになっていった。
それは「庭」というものが、一体人間にとってどんな役割をもっているのか?
そのことを考えるきっかけになると思っている。
それはまた0円ハウスから繋がるものでもあると思っている。
「家」とは?「庭」とは?「空間」とは?
そのことを考えていくための第二章が4次元ガーデンである。