18.October,2006
東京中の道は全てアスファルトに覆われている。
東京は街はコンクリートジャングルに覆われ、家の中では、今度はインターネットの中で新しい「amazon」までも生まれようとしている。
今日の写真はそんなコンクリートシティ新宿の外れの住宅街で見つけた、ソテツである。
こんなご時世にもめげずにソテツはグングン育っている。
いい緑色している。
しかし、目を下の地面の方にやると・・・。
ソテツが生えているはずの場所には、地面が全くない。
このソテツは偽物ではありません。
しかし、下を見ると全てアスファルトに覆われている。
コンクリートジャングルというのは意味が違うのかもしれない。
コンクリートなんかには植物はめげないのである。
「コンクリートでもジャングル」なのである。
でもどうやったらこのソテツがここまで育つのだろうか?
これは野生のソテツなのか?
ここまで育っているソテツをコンクリートで埋めたとは考えにくい。
おそらくコンクリートで埋めたはずの路肩の隙間から僅かな地面を栄養源にムキムキ育ったのだろう。
ソテツの両脇に見えるのは、塩ビ管だ。
雨樋からの排水をする時に使うこの塩ビ管は、見かけも悪いし、周囲の風景と馴染まないため、しばしば設置場所に困る。
しかし、ここではソテツが目隠しとなりいい感じに隠すことが出来た。
さらに、そのようにソテツに這わせて隠すことで奇跡が起きた。
ちょうどソテツの根元に向かって水が流れてくるようになったのである。
なんだかわからん、人とソテツのコラボレーション。
自然という概念をもうここでは越えてしまっている。
自然と人工の無意識の共同製作が都市の真ん中では行われている。
そのため今日もこのソテツは元気に育っている。
変わって次の写真。
なんかおかしいですよね。
ソテツはしっかり土の入ったポットに入れられています。
日も当たっています。
でもなんか変です。
なんと首輪が付けられている。
首輪ではないですね、この時は。幹輪です。
幹輪はいけません。ここには自由はない。
あるのは毎日同じ生活の繰り返し。
生きていることのハリもなくしてしまったソテツは見る見る間にやせ細り、葉っぱは枯れ、下を向いています。
育っている生活環境は、こっちのソテツの方がよいはずです。
でも縛ってはいけません。
管理してはいけない。
これは人だけではなく、また植物にも当てはまるのかもしれない。
たとえ、生活環境が悪くとも直感が働くような、偶然が起こるような、なんとなく予感が働くような自由な空間であれば、植物も人も、そして空間自体も、生き生きしてくると思うわけだ。
なんだか格言のような二枚の写真である。