20.October,2006
ひっそりとした路地をずっと歩いていた。
そうするとそこからまた狭い路地に繋がっていた。
そこを真っすぐ行くと...。
写真のような風景が現れてきた。しかも、両脇である。
まるでいきなり個人の庭に入ってしまったようだ。
それで、少し行くと、今度はまたL字に同じように花が並んでいる。
花は満開ではち切れんばかり。
ここで面白く感じたのは、
植木鉢とコンクリートブロックの塀との間に轢かれている緑の人工芝だ。
なんとなく直接植木鉢をコンクリートの上に置きたくないのだろう。
そこに4次元ガーデンの繊細な奥深さを感じ取ることが出来る。
人工芝は人工でもコンクリートとは違うものなのだ。
人工芝は、自然と人工の物質が出会う媒介の役割もしている。
オジさんが水をやっていた。
話を聞いてみる。
話を聞いているとこの庭が彼の法則に沿って、作られていることを知る。
彼の庭の全景である。右と左の満開の花の間に棚がある。
これはナンですか?と聞くと
「二軍ファームだよ。」
二軍?一体どういうことですか?
「ここにあるのが、次あそこのメインストリートに並ぶんだ。」
横の棚の緑たちはさらに次の予備軍である。
つまり、ここにはAAA(トリプルエー)、AA(ダブルエー)、
そして、最後に向かうは、メジャーリーグというわけである。
メジャーリーグの花を咲かせるために、何ヶ月も前から準備している。
そして、それをまた通りから見えるようにしていることも注目である。
エンターテイメントとしての庭。
彼は始めから観客を意識している。
「この路地、なんもなかったらさびしいだろ。」
と彼は言っていた。
さらに、葡萄を育てるプロでもあり、それら育てた花を写真にも残す。
写真を撮っているというと、じゃあ僕のも見せてあげると写真を持ってきてくれた。
何だかプロ顔負けの凄い写真である。
とにかくなんでもやっているようだ。
近所の他人の庭も世話している。
さらには、近くの他の人が作ったイイ庭も知っている。
彼は庭がキャンバスなのだろう。
表現の場としての庭である。