4次元ガーデン

15 植物アンテナ

30.October,2006

庭がないから、屋上もないから、今度は屋根に盆栽を飾る。
で、これって大丈夫?紐でしっかり結んではあるみたいだけど。
もうそんな危険とか言ってられないんでしょう。
それぐらい庭が必要なんです。
しかも、屋上というところは色んなものが押し込まれてくる。
テレビのアンテナ、避雷針、この家ではクーラーの室外機までも。
で、この人はさらに盆栽まで持ってきたのです。
家の屋根がひげみたいに伸びているみたいに見える。

それで、よーくこの写真を見てみる。
んっ。なんかごっちゃになってきた。
何だかアンテナが盆栽の形に似ているからだ。
どっちが盆栽だか、どっちがアンテナだかわかんなくなってきた。
のは嘘だけど、でも盆栽がアンテナに見えてくる。
盆栽とは実は昔からこのように電波を受信していたのかもしれない。

いつも思うことがある。
なんだか、機械など、人が作ったものが、植物に似ていることが度々あるのだ。
人間が作ったはずなのに、枝が自然に伸びたかのようなアンテナの姿。
これはまさに自然の姿でしょう。
香港の九龍城とかみても、いつも興奮するのは、あのアンテナだもんね。
あれはいったいなんなのか。
アンテナは植物である。勿論、生物学的には違うだろう。
アンテナは本来生物とはされていない。そりゃそうだ。
でも、アンテナの生育は非常に植物的だ。

それとは対照的に、今度は盆栽を見ると、僕はあの盆栽にあんまり自然の力を感じない。
それよりも、昔の日本の画家が描いた屏風絵のようだ。
漫画やアニメの世界の植物の姿に似ている。

アンテナが自然に生育しているように見えて、実際は自然物である,盆栽は機械的に見える。

どちらも人間が作っているはずだ。
作り方が違うのだ。
アンテナには全く人間による、意思がない。
とにかくテレビが映ればいいのだ。
盆栽は違う。
これは年に一回か、二回は近所の盆栽好きの仲間に見せなくてはいけない。
見せるためにつくるのだ。

僕には4次元ガーデンが、盆栽ではなくて、アンテナに似ているような気がしてならない。

0円ハウス -Kyohei Sakaguchi-