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Journal -坂口恭平の毎日-

2009年6月30日(火)

朝起きて、多摩川原稿10枚。とりあえず300枚目標で書いてみることに。午前中に書き上げる。お昼、用事で国立駅へ向かい、済ませて「いんでぃ庵」にてチキンカレー大盛を食べる。美味。そして、家に帰ってきて小学館スピリッツ用のスケッチを制作。下書きが終了。その後、外出。初台へ行き、ハザマ宅へ。依頼されている仕事の話。そして、もちろん桔梗へ行き、瓶麦酒、茹で餃子、おつまみセット、ウーロンハイの後、塩ざるらーめん。やはり美味。どんな状態でも、何が起きても、とりあえず、手を足を止めずに、仕事を止めずに、突き進むということを話し合う。2006年から一緒にウェブサイトを作りながら、丸三年やり続ける中で、色んなことが起こった。今ではウェブサイト自体が一人歩きして、異国の人たちと出会ったりしているわけで、そういうことも自分の動きの一部と考えていくと、面白くなりそうだ。「TOKYO 一坪遺産」を読んだ方から早いリアクション。こういうのは本当に励みになる。ある話が舞い込む。面白い展開になればいい。

2009年6月29日(月)

肉体労働。もう体を動かさずに、書く仕事などばかりやっていたら、頭と体が同時に鈍くなったので、肉体労働を数日に一度入れてみることにした。そうやって二週間がたった。すると、やはり体の調子が良い。まあ、働けばお金にもなるし。で、とにかく最近汗をかきまくっている。こんなに汗を出すのは本当に久々で築地のときよりかも。しかし、こうやって体を動かしている方が、僕の場合、頭も動くようだ。色々なアイデアが出てくる。ちょっと、このペースでたまに肉体を動かしながら仕事に取り組むという方法に変えてみよう。「旅する巨人」を購入。夜は、ホワイトシチューとハンバーグ。その後、溜まっている仕事を少しずつやる。春秋社のウェブサイトで、「TOKYO一坪遺産」特設ページが出来ている。

2009年6月28日(日)

午前中、原稿。10枚書き上げる。こちらはとにかく継続。あと一ヶ月。その後、他の原稿を少し。アルゼンチンからメールが返ってくる。来年の彼らの展覧会でトークのようなものをすることに。クイックジャパンにて対談の依頼。快諾のメール。その後、外出。午後1時に新宿茶寮にてフリー編集者の若林さんと待ち合わせ。エクスナレッジから出るTOKYO建築案内という本の執筆依頼。立体読書のことを気になってくれていて、そのことを4ページ書いてみることに。立体読書も長く続けているが、なかなか伝えきれていないところがあるので、こういうチャンスはどんどんやらせてもらおう。色々と話をする。そして、阿佐ヶ谷へ。現在、Dig-Ital壁画が展示中の香染美術ギャラリーにてシンポジウムに参加。約20人ほど人が来ていた。午後5時ごろまで。その後、ワインが出たので、飲みながら、参加者たちと話す。そして、家に帰ろうとしたが、久々に乗り越す。熊本日日新聞の朝刊で「TOKYO 一坪遺産」の書評が紹介されたらしい。共同通信だから他の地方新聞にも載るかもしれないとのこと。ありがたい。

2009年6月26日(金)

午前中、原稿。ようやく多摩川篇の原稿スタート。7月末まで継続していこう。昼前に10枚。毎日10枚ずつ書いていこうと決める。その後、エココロの挿絵を再送信、さらに四次元ガーデンの原稿を送信。その後、0泊3日の行き先を考える。以前、駄目だったところがやっぱり行けそうだったので再浮上。新しく新刊のアイデアが出てくる。光文社「本が好き!」の新連載のための告知。色んな賃貸物件を求めています。第一回目は8月10日から。またこれも新しい方向性を示せればと思う。小学館も8月から創刊される月刊スピリッツ誌上での連載について電話で話す。8月からは色々と始まる。さらに8月1日から二週間尾道に行くことにもなっている。尾道の小野さんとも電話でそのことについて話す。一坪遺産の宣伝の方も、いい調子のようで楽しみだ。エクスナレッジから出る新刊に執筆依頼。一坪と絡ませたいところ。AITの塩見さんと電話で話す。来年の話なのだが、哲学者の方とレクチャーをすることになりそうだ。そんな賢いことは言えるわけはないのだが、というかもちろん、そうじゃない、現場系の役割なのだが。即快諾。なんでも見てみたいやってみたい病である。熊本市現代美術館も勢いでやってみますと言ってみたし。。まあ、とにかくまた少しずつやり始めていこう。今日は歯科検診。かなり僕の口の中は大変なことになっていた。これも少しずつ治療していこう。その後、立川の電器屋で買い物をフーとアオと。

2009年6月25日(木)

挿絵が仕上がったので送信。レクチャーの依頼。TOKYO一坪遺産が発売になって本屋に並びだしたのだが、共同通信で新聞の書評、紀伊国屋のウェブサイトのトップページなどで取り上げてもらっている、と春秋社の篠田さんよりメール。かなり早いリアクションである。色んなところで今回も紹介してもらえると嬉しい。スペクテイターの新刊が送られてくる。今回の立体読書芥川龍之介の「不思議な島」かなりおかしな短編である。夜はアジの開きと生姜焼き。アオがサーフィンしているみたいに立ちだした。もうすぐ歩き出すかもしれん。昔、ドロボウ市で買っていた「博士の異常な愛情」を久々に観る。

2009年6月24日(水)

エココロの挿絵を描く。多摩川のロビンソン・クルーソーと電話で話す。きゅうりとトマトが大量に育っているらしい。収穫しに行かねば。そろそろこちらのほうの原稿も書き始めていこうと思っている。あまりにも特異な体験と、対象で、どうやって書いたらいいかまだよく分からんが、来月一杯までにとにかく書いてみよう。今回は違う方向性に向かいそうだ。そこを自分でも取り組めれば面白い。喫茶店書簡集に行って珈琲飲む。開高健「人とこの世界」というインタビュー集を読む。夜、ビールと唐揚げ。

2009年6月22日(月)

四谷の上智大学で立体読書についてのワークショップ。アンジェラが先に上海での講演の話をして、その後に、僕が自分の仕事に着いて話す。久々の英語で説明するのに、かなり苦労したが、来ている学生、先生は皆、日本語がしゃべれるということが後で判明し、なら、日本語でやればよかった。かなり熱い人ばかり来ていた。その後、インド料理屋にて打ち上げ。今和次郎と吉田謙吉などを研究しているアメリカ人の教授や、泉鏡花を研究しているスペイン人、石川淳を研究しているアメリカ人、三島由紀夫を研究しているイギリス人など、みんなかなり変人ばかりであった。これはもっと日本文学も読まないと話にならない。立体読書の書籍化も夏頃から動き始める予定らしいので、勉強しよう。カレーとナン、美味。そして、なぜかベリーダンスのショーをやっていた。TOKYO0円ハウス0円生活を翻訳したら絶対面白くなると興味を持ってくれた研究者がいた。いつかそれも実現させてみたい。

2009年6月20日(土)

午前中、原稿。月刊スピリッツ連載用の原稿。また新しく始まる企画。仕上げて送信。その後、外出。午後3時から阿佐ヶ谷香染美術にて「TOKYO LOCAL2」展覧会のためのトークショー。その後、オープニング。駒形さんのラテン語のパフォーマンス。独自の道を突っ走っている。「TOKYO一坪遺産」も並べて売ることにした。マネックスで描いた壁画が展示されている。28日にはシンポジウムもあるとのこと。オープニングで出された稲荷寿司の中身が米じゃなくて蕎麦になっている稲荷蕎麦(?)が美味。現代音楽の若い作曲家の人などと喋る。その後、午後8時頃近くの居酒屋へハシゴ。小倉さん、駒形さん、稲本さん、美学校の校長藤川さんm、菅井さんと6人で。馬刺などと食べる。そして、帰宅。帰宅したらタンゴが遊びに来ていた。ビールを一本飲んで寝る。

2009年6月19日(金)

地獄の黙示録のドキュメンタリーである「コッポラの黙示録」を久々観たくなってみるが、これ何回観てもとんでもないことになっている。映画よりも撮影現場の方が混沌としている。しかし、その中でタイプライターを打っているコッポラの姿がこれまたえらいかっこいい。キャパオーバーなことをやり続け、それにへこたれることなく、とにかく前に進ませていくやり方はとても真似できるものではないが、いつもたくさんのヒントが貰える。とにかくこっちもがんがん進んでいくしかない。夜は生姜焼きを食べる。美味。

2009年6月18日(木)

午前中、作業。お昼ご飯食べて、外出。新刊「TOKYO 一坪遺産」の取材に協力してくれた方々に本を手渡しに行く。中野のパーキングガーデンの夫婦。庭はさらに、盛り上がっていた。持っていくと、喜ばれ、本を渡しにいったのに、買うの一点張り。バナナまで頂く。本当に形になるとは思っていなかったようで喜んでくれていた。その後、大久保の仙人のところへ、仙人はさすがに居場所を変えてしまったかと思っていたが、しっかりと定位置に座って今日も裁縫道具を片手に自分の衣を修繕、ブリコラージュしていた。どうやら袴にフリフリの飾りを付けているようだった。描いている絵も、絵画からだんだんと論文のようになっていて、こちらは完全に理解不能なのだが、ますます磨きがかかっていた。その後、歌舞伎町へ行き、宝くじ売り場へ。おばちゃんにも手渡す。夕食は鳥のオリーブオイル焼き。美味。展示の話がさらに一件やってきた。ありがたいことだ。こうなったら何でもやってみよう。

2009年6月17日(水)

午前中、ロイヤルホストへ行き原稿を書く。なかなか進まず。お昼は鯵の開きを食べて、西荻窪へ。熊本市現代美術館の坂本さんと初めて会って、打ち合わせ。年末ごろに小さな個展のようなものを企画してくれている。どんなものになるのか、話をするが、僕がやっていることがとにかく支離滅裂なので、大変そうではあるが、このカオスのまんまで行きましょう、となる。美術には全く関わりがなかったはずなのに、熊本の美術館でやるようになるとは、世の中わからんもんであるが、やってみよう。坂本さんから、色々と熊本の興味深い話を聞く。その後、一緒に、阿佐ヶ谷の香染美術へ。20日から開催される「TOKYO LOCAL 2」の設営のため。マネックスの壁に描いたDig-Ital-Cityを展示する。栗山さんが、抜群のテクニシャンで、あっさりと展示完了。この絵もこれからちょこちょこと旅をしそうである。春秋社の篠田さんから、ジュンク堂での展示、トークなどの依頼。面白くなるようにやってみたい。毎回ジュンク堂にはお世話になっている。アルゼンチンのアーティストグループから、トークショーの依頼。ダリルさんが記事を書いてくれたシンガポールアーキテクチュアを読んで反応してくれたようだ。20日頃には新刊も書店に並びだすようなので、活発に動いていかんと。

2009年6月16日(火)

午前中、四次元ガーデンの原稿を仕上げる。春秋社から新刊が送られて来る。箱を開けて眺める。ちょうど一年くらいかかった。毎度であるが、やはり新しい本を見るのは嬉しいものである。盛り上がる。お昼に昨日の天ぷらを使って天丼を食べる。その後、外出。東京駅へ。八重洲ブックセンターで物色した後、向かいのビルにあるマネックス本社へ。去年の7月から展示していた5メートルの壁画が、展示期間を終えたので取りにいく。松本社長に挨拶をする。次は、また違う趣の展示らしく出来上がるのが楽しみである。今後、この絵は6月20日から阿佐ヶ谷の香染美術で始まる「TOKYO LOCAL 2」という小倉さんが企画している展覧会で展示する予定。帰りに、東京駅で靴磨きをしているムラタさんのところへ新刊を持っていく。喜んでくれた。すると、ムラタさんは新聞の切り抜きを取り出し、この人見てよと差し出した。それは若者が靴磨きの店を青山にオープンした記事だった。ムラタさんは昔、彼に教えたことがあるらしい。靴磨きも大変なことになってきているようだ。家に帰ると、絵を展示しないかとの依頼。夕食は鮭の味噌漬け。夜、原稿。

2009年6月15日(月)

午前中、原稿。終わって送信。その後、新しく始まる連載用のアイデアを寝る。春秋社の篠田さんより電話。新刊がとうとう出来上がってきたとのこと。明日送られてくるようだ。今度は、またいつもとは違う雰囲気の本なので、どのように読まれるか楽しみである。また宣伝にも力をいれていこう。本屋で池谷裕二氏の「単純な脳、複雑な私」という新刊を購入し、読む。結構これは凄いことを言っているのではないか。夜、フー母も来て、人参の葉っぱのかき揚げ、エビとオクラの天ぷら、豚肉のみそ炒め。人参の葉っぱがこんなに美味だとは思わなかった。裏庭になっている梅の実を採集。夜は読書。

2009年6月13日(土)

午前中、原稿。午後1時半頃、写真家の梅川くんと高円寺駅前で待ち合わせ。ラッパーのマイクアキラさんも来ていて、初対面。何か起きそうな感じがしたら、後で、何か起きた。その後、今日のトークイベントの司会をする九龍ジョーとも会って、三人で高円寺のカフェで、トークの打ち合わせ。梅川くんが撮影した写真を焼いてきてくれていた。これがとんでもなく、良い。っていうか多摩川がお洒落に見える。この写真群をもとに、多摩川の話をする予定で進む。午後3時頃、素人の乱12号店にてトークイベント開始。そんなに広いところではなかったのだが、30人近いお客さんが来てくれて、トークも盛り上がる。二時間みっちりあったので、途中で退屈するかと思ったら、あっという間に過ぎた。春秋社の篠田さんが、新刊の表紙だけを被せた本を持ってきて、宣伝も少し。明後日には、とうとう新刊が出て上がって来るらしい。楽しみだ。その後、12号店でそのまま野郎ばかりの打ち上げで、マイクアキラさんがフリースタイルし始めたので、ギターで応酬。そのまま、結構やっていた。純粋なマイクアキラさんに感銘。その後、無人島プロダクションに行くも、人がたくさんいたので、バサラブックスの福井さんと二人で、コクテイルへ行く。二人で話をしていると、梅川くん、ジョー、関根くん、やぶのけんせいくんなども混ざり、打ち上げの続き。その後、なぜか雑貨屋でおもちゃを購入し、スタ丼を最後に頂き、帰宅。

2009年6月9日(火)

午前7時起床。原稿。お昼まで。その後、新しく始まる企画の案を練る。どうやら先日の隅田川のゴルフはアサヒビール主催のアートプジェクトだったらしい。夕方外出し、渋谷へ。エココロ編集長と会う。雑誌のリニューアルに伴って四次元ガーデンのページも少し変わることになった。さらにイラストの依頼。夜、帰宅し、さんまの開きとなすの揚げ煮。魚力のさんまは油が乗っている。美味。「アダプテーション」を観る。ノンフィクションを書こうとする人と、その本を基に映像化しようとする人の思考が交錯していく。自分の仕事に関して色々と考えさせてくれた。雑誌花椿の質問に答える。光文社のPR誌「本が好き」で賃貸物件についての連載の件で面白い物件をホームページ等で募集したらいいのではないかという話になる。近日中にトップページで宣伝しよう。

2009年6月8日(月)

午前中、原稿。coyote新刊が送られてくる。ハロー!ワークス拡大版で僕の多摩川生活を書いている。大森克己さんの写真がとてもいいです。また今月は雑誌「本人」でも多摩川のロビンソン・クルーソーの語りを僕が構成しています。ロビンソン・クルーソーのこともぜひ形に残していきたい。全く断絶してしまっている、人間と自然との関係がここでは密接で、それは現代、もうほとんど忘れられてしまっていることでもある。しかも、それを知っても実行にうつすことができなくなっている。それが多摩川で行われているのである。これはゆっくりではあるが、少しずつ進ませたい。きゅうりがもうなっているようだ。収穫にもいかないと。がってんでやっていた方法でハンバーグをフーが作ったが、それでやると本当にうまかった。ホットケーキの時も凄かったし、勉強になっている。トロントの写真家から香港の屋上に増築された小屋の写真集が送られてくる。0円ハウスのことに興味を持ってくれており、僕の写真集と交換した。

2009年6月7日(日)

習慣化しているものを一度ストップさせると、なかなか戻すのが大変であることを感じてまたやり始める。午前中から外出し、浅草へ。以前見た記憶があった二階建ての家を取材しようと思ったのだが、あれは自分の妄想だったのか、なかなか見つからず歩き回っていたら、横には船が何かを引っ張っている。これは一体何事かと見ると、船は貨物船のようなものを引っ張っている。しかし、上に載っているものは荷物ではなく、芝生であった。しかも、起伏がある。そして、人が三人くらいそこで作業をしている。さらには、旗が刺さっている。よく見ると、それはなんとゴルフの光景だった。隅田川でゴルフ?そんなサービスが一体いつから始まったのか、追いかけて話を聞こうとしたが、こちらは徒歩なので、遠くに去っていった。これは調べた方がいい。かなりシュールな映像だった。何かの企画なんだろうか。その後、本を買って、銀座へ行って、またくまなく歩く。伊東屋でインク購入。銀座もどういうふうに進めるか考える。面白そうなものがころころと転がっているんだが、まだピタリと来ていない。しかし、体を動かしながら次の方法を考えていこう。午後5時、初台でエイリちゃんと待ち合わせ。FUのネックレスを買ってくれたので、それを手渡しに。その後、色々と話す。その後、ハザマの家へ。すぐ桔梗へ行って、ビールとおつまみセット湯で餃子。塩ざる。二人で新しいアイデアが浮かぶ。0円ハウスだけでなく、また違うウェブサイトが出来上がると面白くなるかもしれない。かなりゆっくりしたので、もうそろそろ、体を動かしていこう。トップページには新刊「TOKYO 一坪遺産」の表紙が出てきてます。そして、今週の土曜日にはトークショー。

0円ハウス -Kyohei Sakaguchi-