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Journal -坂口恭平の毎日-

2010年1月31日(日)

朝から外出。田町駅へ。歩いて、モーターサイクルカフェというところへ。きょうは、3月22日に行われるBOSAIというイベントの打ち合わせ。僕は、サバイバルハウスを作るワークショップというのをやる予定。いきなり参加することが決まったので、何をやるのか定まらずに来た。隅田川の鈴木さん、多摩川の船越さん、コンさんの三人の路上生活者を呼んで、彼らと一緒に家を作るという案を出す。みな興味を持ってくれたようで、企画通過。ちゃんと彼らにもギャラを払えるということになり、これは面白くなりそうだ。お昼をそこで食べて、その後、帰る。上野駅へ行き、尾道から来ている、レジデンスの時にお世話になった学生、杉井と会う。喫茶店へ行き、話す。その後、家に帰ってくる。夜、杉井が泊まるところがないというので、僕の家へ来る。鍋を食べて、杉井の得意のマッサージを僕とフー、二人でやってもらう。気持ちよい。その後、話したりしながら、気付いてたら寝てた。

2010年1月30日(土)

お昼過ぎに外出。渋谷駅へ。ペーパースカイの事務所へ。今日はライターのダリルからのお誘いで、菜食料理クラブに参加。高円寺ベジ食堂のYOYOさんの料理を食べる。編集長のルーカスと話す。庭について面白い企画をやろうと話す。ダリルの友人、キャメロンとハンナ、ロンドンから来たフランチェスカなど、10人ぐらいで食事をする。紫芋のニョッキ、大根マヨネーズで作ったマカロニサラダ、野菜炊き込み御飯、など美味。その後、キャメロン、ハンナ、ヴィンセント、フランチェスカと五人で、新井薬師の35分というギャラリーの展覧会兼飲み会に参加。ロンドン、ニュージーランド集団と話し込む。彼らが誰なのかはよく分かっていない。その後、彼らと中野格安飲み屋で二次会。久々に英語ばかりの一日。家に帰れず、西荻の亮太の家へ。ホンマタカシの楽しい写真を読む。

2010年1月29日(金)

朝から研究所。幻冬舎原稿。4000字書いて送信。その後、都市の幸で暮らすの取材。23区内全てにアルミ缶の持ち去り禁止条例の有無を調査。かなり面白い結果が出た。その後、まっすぐ家に帰ってくる。

2010年1月28日(木)

朝から研究所。幻冬舎の原稿。今日は2000字で送信。今、痒がっているところ。この話もどう展開していくのか、自分でもよくわからん。でも、その中の人間はどいうにか動いてくれている。まあなんとかなるか。その後、外出し、新宿バルト9へ。午後3時50分からのアバターを観ようと行ったのだが、空いてるかと思ったら、とんでもなく混んでおり、一番前の席しか無い。仕方なくそこへ。東京ではここしか3Dドルビーシステムがないらしいから、こんなに混んでるんだろう。で、観る。やばかった。最後の方は、ちょっと興醒めしたのだが、中盤までの世界には完全にどっぷり入り込む。これは映画というよりも、なんだろ、空間を肌で感じる体験。桃源郷を実体験しているような感覚。アンリルソーが頭の中に浮かんできた。むしろ、何も話が展開せずに、ずっとその世界だけに浸りたかった。もう一回行きたい。

2010年1月27日(水)

朝から研究所へ。幻冬舎用原稿。4000字。書いて、送信。午後4時頃終わったので仕事終わり。演劇集団の快快よりアフタートークの依頼。快諾。早稲田の先輩から東京都文化プロジェクトのトークショー依頼。快諾。ダリルさんからペーパースカイ事務所でのベジ食堂の食事会お誘い。快諾。小説すばるよりインタビュー依頼。快諾。太田出版梅山くんより原稿オッケーとの連絡。安心。これでようやく出版される。3月予定。トークを見に来てくれた方から、何か企画をやりたいとのメール。快諾。というように、右から左まで全て快諾してみた。太田出版の本は、あとイラストが10点ほどある。2月8日までに仕上げることに。幻冬舎の方も、2月10日頃までに仕上げようと竹村さんと電話。できるかな。帰る前に、ブックファーストで、アオがおそらく相当喜ぶだろう代物を発見。アンパンマン大図鑑2000というとんでもなくでかい図鑑なのだが、キャラクターが2000体紹介されているもの。図鑑好きのアオには涎ものだろう。購入。それと僕も何かすんごい長い小説を読みたくなっていたので、カラマーゾフの兄弟、買ってみました。読めるかな。しかし、序文から引き込まれる。著者と小説の中の伝記著者と、主人公という複数の視点が同居しているように感じる。とは言っても長いから、読めるかな。帰ってきて、鮭のフライを食べて、就寝。

2010年1月26日(火)

朝から外出。研究所へ。太田出版用原稿。今日は進んでいった。ようやく最後まで到達。これで手直し終了。82000字になった。送信する。その後、幻冬舎用原稿に取り掛かる。こちらも4000字書き終える。こちらは現在86000字。しかも、まだまだ終わらない。どうにかやってみましょう。午後6時まで。その後、原宿駅で世田谷ものづくり学校の黒崎さんと待ち合わせ。黒崎さんの事務所でビールを飲みながら、今始めようとしている計画について話しあう。その後、富ヶ谷の鰻屋で黒崎さん、くらたさん、けいちゃん、しんちゃん、上條さんと話しながらビール飲みながら、鰻を食べる。その後、バーへ行って、テキーラロック。その途中にロケハン。今やろうとしているのは、駐車場に家を作ってみようという、僕が前々から温め続けていたもの。これが実現したら、えらいことになる、はず。午後11時、家に帰ってくる。夜は、ヒッチコックの「三十九夜」を観る。また、これも名作である。繰り返し見ないといかん。

2010年1月25日(月)

朝から、アオと二人で、外に散歩に出掛ける。国立駅前のお店をぶらつき、一橋大学構内で二人、陽気な天気にまどろむ。その後、午後11時過ぎにののかとそうたと美帆が来訪。一緒に家に帰ってくる。ラザニアとスープを食べて、子供たちと遊ぶ。なんか書かなきゃいけないもんがたくさん転がっているのだが、こうなってしまっては何もできないので、とにかく目一杯遊ぶ。午後5時頃美帆たちが帰るのと一緒に外出し、エクセシオールへ。河出書房用原稿。やるのだが、なかなか進まない。なんとかコラム一つ拵えたので、送信。

2010年1月24日(日)

フーが友達と遊びに行っているので、久々にアオと二人。原稿書いていたが、外へ出たいと言うので、散歩に出掛ける。公園で遊ぶ。公園には老人が一人でフラフラとして、ベンチに座っていた。アオの中では、その老人もすっかり仲間に入っており、手招きをしていた。その後、老人はいなくなったが、また途中、老人がふらりとやってきて、座っていたので、アオはまた声をかけていた。その後、児童館に行くも、閉まっていたので、ガラス越しに中を二人で覗く。など、二人でふらふらと近所をぶらつく。アオには犬の首輪のようなものを腰に巻付けているのだが、それに興味を持たれ、色んなところで声をかけられる。途中で、疲れて眠り出したので、家に帰ってくる。アンパンマンについて語り合う。書けずじまい。夜は西部前線異状なしを観る。この感じ「穴」みたいかな。戦争ものと囚人ものと路上ものとの共通点を感じる。

2010年1月23日(土)

エクセシオールで原稿。タリーズで原稿。ロイヤルホストで原稿。原稿放浪。

2010年1月22日(金)

今日は家で作業をしようと思ったが、とにかく眠い。布団から起きれず、本を読みながら、眠くなるとそのままうとうとと眠りの世界に入る。多摩川のロビンソンクルーソー式。ここ数日、ガッとやったので、緊張の糸が切れたのかしらん。ヒッチコックが映画の中で使っていた仕掛けという意味のマクガフィンという言葉が、キプリングという小説家が使っているところから採ったというのと、ジョージ・オーウェルの最近買った評論集にキプリングについての評論も載っていて、何か共通点があるのかもしれない。読んでみようか。ちょっと、最近の探索は今までとは違う謎の方向性を見せていて、自分でもよく分からん。夜は、ハリーの災難を観る。

2010年1月21日(木)

朝から研究所へ。翼の王国全ページ完了、入稿したデータが送られてくる。ハロー!ワークスのレイアウトが送られてくる。チェック。コヨーテもこれにて完了。佐々木さんより、ヒッチコックの映画術は必読とのメール。これは読まねば。エココロ四次元ガーデン原稿。第26回。書き終わり写真と一緒に送信。こちらもなかなか続いている。その後は、太田出版「都市の幸で暮らす」最終章。ちょっとづつ進ませる。これも今週中にはなんとかせんといかん。午後6時ごろまでやって家に帰ってくる。帰りの電車は「ガダラの豚」。何か物語を欲している。帰りにヒッチコック「ハリーの災難」を借りてくる。「海外特派員」と「三十九夜」ってのを観たいのだが、国立のツタヤには置いていない。

2010年1月20日(水)

朝から、家でドローイング作業。ハローワークス用のスケッチ大1点と小10点ほど。その後、路上力のスケッチ1点。いずれも完成し、送信。翼の王国の原稿はようやく終わる。完成が楽しみだ。0泊3日の原稿が、書き替えなければならなくなったので、それもやる追加で300字ほど。完成し、送信。その後、エココロの四次元ガーデン連載。まだ終わらず、明日送ろう。これで、1月の山場は一つ超えた。次は単行本攻撃。とりあえず、ゆっくりして、ヒッチコックの「疑惑の影」を見た。これがやばかった。登場人物の描写がかなりスゴくて、僕は夏目漱石の小説とダブって感じられた。まず、登場人物を作り上げて、しっかりと性格を付加したあとで、彼らが走り回る空間を完全に作り上げる。その後は、ただ彼らを動き回らせるだけという漱石の小説の作り方と対になっている。そして、この映画の中には様々な対になっている映像が出てくる。メイキングを見ると、そのへんもよく分かった。ストーリーを進行させながらも、ストーリーという現実の思考の先に、シンボリックなイメージを混ぜていく。常に無意識に影響を与えようとしているヒッチコックの映画の作り方に、こちらの知的創造性が興奮している。トリュフォーがインタビューしたヒッチコックの映画術も読んだ方がよさそうだ。

2010年1月19日(火)

朝から、原稿。エクセシオールでコヨーテ0泊3日の原稿。5枚。書いて送信する。路上力の原稿、帰ってくる。チェック。翼の王国、追加の原稿依頼。書いて送る。その後、ハロー!ワークスの原稿。こちらも15枚。書き終わる。河出書房、レヴィ=ストロースについてのインタビュー文字起こし訂正し、追加し、送信。河出書房の坂上さんに四次元ガーデン書籍用の原稿の遅れ、突っ込まれる。うーん。いかん。いんでぃ庵で野菜カレーを食べて、フーアオと午後、エクセシオールで待ちあわせし、散歩。新しくできた紅茶屋、KUNITACHI TEA HOUSEへ行き、紅茶とクレープを食べる。クレープが美味すぎてビビる。で、帰ってくる。佐々木さんより、0泊少し書き直ししよーとのこと。書き直し、送信。路上力チェック後、送信。翼の王国、さらに追加原稿依頼。書いて送信。ハロー!ワークス、完成させて送信。これで、後は路上力とハロー!の絵を残すのみとなった。怒濤の連載ラッシュ。ようやく終わりを迎えそう。で、今週からは、太田出版再び、最終章の仕上げ。これは一昨日、梅山くんとちゃんとやると約束したので、やり切る。で、その後、幻冬舎を再スタートせねばならん。何がなにやら。しかし、とりあえずカオスは抜けたような気がする。

2010年1月18日(月)

朝、家に帰ってくる。帰ってきて、寝る。で、起きたら午後5時だった。その後、翼の王国の原稿の続き。夜までかかって終わらせる。「東京怪童」1、2巻、「アイアムアヒーロー」1、2巻購入。どちらもなかなか面白い。漫画が描きたくなる。

2010年1月17日(日)

朝、東京に帰ってくる。車中、オーネットコールマン。そしてヒッチコック、ジョージオーウェル。この三角形が気になっている。車中で色々とアイデアが出てきたので、メモる。昨日の夜、駅前の寿司屋で夕食をしていたら、小沢幹事長の発言がテレビで流れており、形式的なミスは、訂正すればいいのだ、という言葉を聞いて、なるほどと思った。つまり、法の下で生きるなという意味なんだと僕は受け取った。人間は法の上をつらつらとスケートリングしなくてはいけないのだと。それと、僕が今調べている、都市の幸で暮らす。つまり、日本の国有地を占有している路上生活者たちの状況も、それと同じ理論で戦えるのではないかと思った。言われたら、やり直せばいいのである。それだけだ。これは、システムの中で管理されるな、という自分に対する言葉のように聴こえた。それを、政治の世界の人間がいうのである。権力と戦っちゃうのだ。面白いことになってきたな、と思った。これは本質的に都市の幸大作戦を実行する必要性がでてきた。たぶん、僕は誤解しているのだろうが、それを素敵な勘違いとして進ませてみようじゃないか。で、家に帰ってきて、原稿を書く。今日はトークショーだ。どんな話をしようか。まだなにも考えていない。で、外出。トークショー開始。40人ほどの人が集まった。満員御礼である。とにかく話し込んだ。面白い話ができたんじゃないか。その後、打ち上げ。お茶の水の後、ゴールデン街で。朝まで飲む。

2010年1月16日(土)

宇和島に午前10時すぎに到着。取材。取材後、宇和島といえば、大竹伸朗氏。以前、手紙を書いたときに返事をもらっていて、住所を教えてもらっていたので、初対面なのだが、押し掛けで、自宅のインターホンを押した。すると、奥さんが出てきて、外出中なので、後で連絡します、とのこと。その後、電話がかかってきて、駅前で待っててとのこと。午後3時。大竹さんの車に乗り込んで、喫茶店で話をさせてもらう。これじゃ、学生みたいじゃないか。まあなんでもいいのだが、とにかくそこで、話をする。なにやら、最近欲求不満そうな大竹氏であった。何か面白いことやりたいね、と言っていたので、僕はおこがましくも、様々な企画を提案。二つほど面白そうじゃんと言われた。一つは大竹伸朗キュレーションの展覧会。土偶から、路上に落ちているゴミまでを等価値に並べるような展覧会はどうかと。格式ばったところでやったら面白そうだ。後は、ガチで、長編のストーリー漫画を描くというもの。漫画もいつかやってみたいとのことでした。とにかく、若いあたしらが、頑張らないかんと思った。「もっと焚き付けてほしい」と言った氏の言葉に僕は勝手に奮起した。やっぱり、もっと氏が嫌なこと、避けているようなことを、やってもらいたいと言った。それでこそ、新しいものが生まれるはず。そんなこんなで、熱く二時間話をした。こちらはとても創造的な気分になって、帰りは、とにかく企画をいくつも考えていた。熊本市現代美術館の坂本さんにも、面白いことを企画していかないかんよと、電話した。僕は国立博物館とかにこの企画の話をしてみようかなと思い立つ。そんなのうまくいくかわからんが、何かやってみたいなと。来月、東京に来るので、今度は酒を飲もうと約束し、宇和島を発った。よき出会いであった。感謝である。

2010年1月15日(金)

午前中、原稿。その後、外出。ハロー!ワークスの取材。多摩川へ。取材したいと思っていたオヤジがいない。なので、近くの喫茶店ZIONで原稿。スピリッツ用の路上力。1600字。完成。その後、また行くも、いない。ZIONに帰ってきて、小学館カリスマホームレスに訊け!原稿。4000字。完成。その後、また行くと、オヤジ帰ってきていたので、話をきかせてもらう。今回もハードコアなハロー!ワーカーと出会えた。2月10日発売号をお楽しみに。それで、一緒にUFOらしき物体を見た。オヤジ驚き、僕は閃き、新宿へ。コヨーテの佐々木さんと待ち合わせし、センタービルの銀座LIONへ。二人でちょっと飲む。その後、0泊3日スタート。今回は宇和島へ。午後9時半出発。

2010年1月14日(木)

今日も朝から、どうもすぐれない。布団を敷いて、横になる。しかし、締め切りは迫っており、しかも一つだけじゃないので、ちゃんとやらんといかん。ということで、午後5時頃、ようやく起き出し、書き始める。翼の王国インド用原稿。アーメダバード篇とチャンディーガル篇の二つ、6000字強、少しずつ原稿が乗ってくる。かなり時間がかかったが、締め切りの今日中一杯に原稿は送ることができた。午前2時、安心して寝る。明日は、ハロー!ワークスの取材、そして、夜からは0泊3日の取材で、バス旅行。帰ってその日に、明治大学でトークショー。やるぞー。

2010年1月13日(水)

午前中外出し、研究所へ。翼の王国用インド原稿。5000字。やるがどうにも進まない。というか頭が痛くなってきた。たらこパスタを食べて、まだやろうとしたが、風邪っぽい。ということで、早めに帰る。午後3時。帰りに、クラーク「幼年期の終わり」と五十嵐大介「魔女」を購入し、家に帰ってきて、布団に包まって、読んだ。翼の王国、明日が締め切りなので、ちょっとやばいののだが、今日は寝転がることにした。夜、「バルカン超特急」見る。

2010年1月12日(火)

午前中外出。六郷土手へ。歩いて、昨日会った、熊本出身の多摩川のムツゴロウさんと会う。取材。家の中も案内してもらう。畑も見せてもらう。お酒も頂く。そして、取材を終えて帰ろうとしていたところ、途中に見つけた0円ハウスの家から、二人の男性が出てきて、仕事をしている。話を聞かせてもらうために声をかけると、いきなり弾丸トークが始まった。このオヤジすごいかもしれない。この人こそ、次のハロー!ワークス第11回目に紹介したい人だと直感。時間はあんまりないのだが、この人を追いかけてみよう。また数日後、取材にいこうと決める。その後、新宿へ。ベルクで明治大学の宇野澤さんと待ち合わせ。17日に行われる、山下陽光さんとのトークショーについての打ち合わせ。色々と話す。今回はどんな話をしようかなと考える。クレオール文学について興味深い話を聞く。読んでみよう。電車の中で、1984。とうとう読み終わってしまった。これはとんでもない本だと思う。政治的意図と芸術的意図を融合させた総合小説であり、人間の複雑な同時思考についての考察でもある。とは、解説を書いている、ピンチョンの言葉。解説もいい。オーウェル評論集から、1984、そして、ピンチョンと、僕の中で一本の線が繋がる。これは動物農場も読んでみた方がいいのかもしれない。パリ・ロンドンどん底日記も借りてきたので、気になるところ。政治的意図と芸術的意図を融合させる、ってところばかり、最近は気になっている。夜は、レンコンとエビの揚げ団子、揚げ豆腐、キノコとほうれん草のおひたし、大根の味噌汁、御飯。疲れて、すぐ寝る。

2010年1月11日(月)

午前中外出。川崎駅へ。ハロー!ワークス、カリスマホームレス、路上力など様々な案件を引っさげて取材する。小説を書きたいと言っていたオヤジに久々に会うが、ドストエフスキーのことを言っても、何言ってるのといった感じで、忘れていた。まあそんなことはよくあること。あまりにも適当なオヤジに笑みがこぼれる。で、その後、うなぎの寝床のすごい家に住んでいるオヤジと話し、歩いていると、頑丈に作られた多摩川沿いの家の中から声が聴こえてくる。複数の声だ。しかも、そこには窓ガラスが三面付いており、中の様子が見えるようになっているので、覗いてみた。すると、そこで、六人ぐらいのオヤジが集まってきており、しかも、彼らは麻雀をやっていた。そう、ここは麻雀ルームなのだ。僕が覗いていると、中のオヤジの一人が、コイコイと手招きするので、僕もよだれをたらしながら、麻雀部屋に入っていった。ちょうど、誰かがハコって、終わったばかりだったので、僕に入れというので、参加。半荘。この場所は、麻雀をするためだけに作られた家なのだそうだ。室内は全て、木板で覆われており、豪華な作りになっている。とにかくみんな楽しそうに打っている。路上生活者だけでなく、近所のオヤジに来ているらしい。また明日も来なよと誘われる。しかし、まだハロー!ワークスが見つからない。その後、歩いていると、一軒の家にオヤジ二人と遭遇。この人たちが面白そうだ。しかも、二人とも熊本出身だった。もう遅かったので、明日また行ってみよう。その後、ロビンソンクルーソーにも新年の挨拶。そして、カリホーの質問も。そんな感じで取材終了。三鷹駅でフーアオと待ち合わせして、家に帰ってくる。夕食は厚揚げ、キノコの茹でたもの、塩サバ、大根の味噌汁。美味。1984、半分を超えてきた。俄然盛り上がる。

2010年1月10日(日)

今日は仕事を休んで、フーアオと水族館に出掛けた。品川駅まで。イルカのショーがフーがみたいというので、行ってみたら、円形のいい空間で、イルカが泳いでいた。僕もイルカショーは初めてだったが、おもしろいじゃないか。アオも手を叩いている。かなり入り込んでしまう。イルカ、他にも見に行ってみたくなる。ジョン・C・リリーじゃあるまいし。で、その後、アシカショーにも行くが、こちらは驚きの芸の下手さを売りにしており、しかも、トレーナーの人がバリバリの関西弁で激しい突っ込みで、うちらはひやひやしながら見た。とか、そんな感じでレジャーしてみた。堀辰雄の水族館を頭に思い浮かべながら、アー立体読書も忘れないようにしないとねー、と思った。そういえば、正月早々、上智大学のアンジェラから連絡があり、アンジェラがなんと佐藤春夫の息子さんに、僕ののんしゃらん記録の絵を見せたらしく、しかも激賞してくれたそうで、とても嬉しかったのも思い出した。で、魚自体はそこまで幻想的ではなく、さらっと見て出てきた。カフェでオレンジジュースとアップルパイを食べ、帰ってくる。またヒッチコック「バルカン超特急」を借りてきた。これから毎回ヒッチコックを借りていくことにした。

2010年1月9日(土)

朝から研究所へ。太田出版用原稿手直し。今日は、ぐっと進んだ。お昼はハザマと桔梗で塩ざるらーめん。美味。その後、0泊3日の次の目的地の探索。今回は、UFOを作っている人に会いに行くことにした。ハロー!ワークスの次なる取材も手をつけなくてはいかん。見つかるか。いつも、僕の取材は、次がちゃんと見つかるのか、分からん状態で進んでいく。結構、スリリングではある。で、今は見つけられんと思っているが、思っちゃいけない。たぶん、見つかるし、ちゃんと原稿は書けるだろう。そうやって、今まで来たんだもの。午後5時まで。1984年にやたらとはまっている。面白すぎて、電車を乗り過ごしてまで、読んでいた。夜は、ヒッチコックの北北西に進路を取れを見る。初めてみたのだが、これやばいじゃないですか。面白かった。しかも、その後のメイキングがまたよくて、脚本家のヒッチコックに対しての思いとか、むちゃくちゃ創造的で興奮した。よい時間を過ごした。

2010年1月8日(金)

アオは復活。朝から研究所へ。太田出版用原稿の手直し。また見直すと、書き直したいところ多数。なかなか定まらず。しかし、じとじとやる。その後、色々と調べもの。大学教授、法務局などに電話。アポ無しで質問。午後3時、早めに切り上げて、国分寺へ。図書館にて「所有権」の誕生という本を借りてくる。なかなか面白い。しかし、所有権がいつから発生したかということは、結局分からないようだ。その他、パリ・ロンドンどん底生活、偶景、ハクスレーの集中講義借りてくる。電車の行き帰りでは、1984を読んでいる。オーウェルの評論集を読んだ後だと、小説がすらりと頭の中に入ってくる。かなり面白い。勢い良く読む。家に帰ってきて、ラザニアを食べ、エココロのイラスト仕事。三点。無事終わらせる。送信。夜はインランドエンパイヤもう一度見る。

2010年1月7日(木)

アオの調子優れず、朝から今日も病院に連れて行く。マシュマロクリニック。帰ってきて、今日は仕事を休んで、アオの子守り。病気はずが、興奮している。これはそういえば僕もそうだったなと思い出す。ぜんそくがひどいと、とにかく興奮してしまって、走り回りたくなっていた。そして、また再発し、治らない。そんなのは似なくていいのだが、似ている。家でオーウェルの「1984」読みながら、たまに絵本を読みながらとかなり分裂的な作業。エココロのスケッチについて、考える。年明けてから、写真家の石塚ゲンタローから毎日、今度本にするらしい、氷河日記というのが文書で送られてくる。それを読む。こうやって、毎日、一日分の日記が送られてくるというのは、楽しみな体験である。読んで、返信する。ジュンク堂での石川直樹氏とのトークショーの文字起こしを読み直し、笑う。よく、こんなこと言えるよなあと自分で感心する笑。で、石川くんにも送信。近いうちに、ホームページ上で公開する予定。これは連続トークセッションシリーズになっていけばいいと思う。とか、いいながら、次、誰と話すかも決めとらん。そういえば、17日には、山下陽光さんと明治大学で話すことになっている。夜は、ミートソーススパゲッティ。食べて、また1984読みながら寝る。

2010年1月6日(水)

午前中、アオが風邪を引いたので、近くのマシュマロクリニックへ連れて行く。吸入、鼻水取り。薬受け取って帰る。そのまま研究所へ。太田出版の原稿手直し。第4章でいつものように止まる。やはりここが肝である。読んでいると、引っ掛かるポイントがいくつかまだある。そこを滑らかにしたい。法務局などに電話して、取材少々。午後5時まで。新年会のお誘いがあったが、今日はまっすぐ家に帰ってくる。アオはまだ本調子ではない様子。何度か嘔吐。しかし、興奮しているようで、さむがりやのサンタを読んで寝かせる。その後、インランドエンパイヤの残りを見る。分け分からんのに、もっと見たいと思ってしまう。でもうとうとしてしまう。で、そうやって、映画を見ていると、自分自身が狂気状態に入ってしまったような錯覚を感じる。で、突然、シーンが現実の世界に戻ってきたときに、なぜか僕もぴたりと目を覚ました。客観的に狂っているのではなく、主観的に狂っている。これは僕がいつも思っている高い解像度による、人間の思考についての研究なんじゃなかろうかと思った。また目を覚ましたときに出てきた裕木奈江が印象的。と、最後の歌が無茶苦茶かっこ良かったのと。BECKの曲が、変な音から次第にちゃんと聴こえてくる感じも、すごく良かった。といいつつも結構寝ていたが。もう一回見てみよう。

2010年1月5日(火)

今日はスケッチを集中的にやる。研究所へは行かず、家で作業。鉛筆画、ペン画、色鉛筆画、いろいろ織り交ぜて、違う人間が描いたみたいな絵にしている。とにかく集中する。夜まで止まらず描き続け、今日だけで36枚描いた。もう十分だろう。夜は家でヒレカツ丼を食べて、アオと戯れて、夜、映画を見る。エココロからイラストカットの注文。本書いて、絵描いて、カットも描いて、喋って、歌って、そのような全体的に進めていくという、この作業は、やはり漫画的だなと思う。物語と絵が同時進行していく、漫画は、人間が持っている全体性の方法を、具体的に示している。その同時施行のやり方は、今和次郎のスケッチと文章とも繋がるし、南方熊楠の同時思考にも繋がる。デュシャンの作品群にも通じる。アーサーラッセルのアコースティックギターだけの曲と、GOBANG!を同時に作れる感覚とも相通じ、それはレーモン・ルーセルの物語を書きながら、実は音の連鎖だった、アフリカの印象と従兄弟関係にあたる。ボブデュランが、歌は、詩からでもなく、音楽からでもなく、同時に歌として生まれてくるという言葉には、そのことのヒントが記されており、コルビュジェがロンシャンとラ・トゥーレットを同時に作ったことがさらに、僕を興奮させる。夏目漱石が小説を書く前に、まずは、その物語に登場してくる人物を作り出し、そして、彼らが暴れ回る空間を完全に作り出すことをするという意味はそこらへんにあるだろうし、マンクーソが自分の家を掃除し、風船を膨らまし、天井に、自ら開発したスピーカーを取り付け、水面下で音楽を聴いているようにセッティングし、レコードの音をミックスするのではなく、その音楽が録音された時と同じような音を再現するためのレコードプレイヤーを設計することは、さらに僕の思考を納得させる。やらなければいけないことは、とにかく総合的で同時多発的な思考だ。そこには、人間が生きている、そのことを具現化することの可能性が隠されている。それをジョージ・オーウェルは評論集で書いていた。そんな羅列した物事の間の空間が今、気になる。

2010年1月4日(月)

午前10時、研究所へ。太田出版「都市の幸で暮らす」原稿手直し。なかなかこの本が出来上がってくれない。しかし、もっと見直した方がきっといい本になると思うので、また最初から読みながら、分かりにくいところを、書き直す。とにかく誰にも分かるような言葉で書こう。自分が一番言いたいことを、平易な言葉で文体で書こう。ということで、第3章まで仕上げる。あと半分。午後6時に研究所を出る。新宿の本屋でなんか読みたくて、「空のオルゴール」を購入後、国立のツタヤで「インランドエンパイヤ」を借りる。インプットモード。で、インプットしているそばから、アウトプットしたくなって、途中で放り投げて、翼の王国のためのスケッチを描く。夜、家に帰ってきてから、9枚描いた。その後、また映画見る。すると、また描きたくなって3枚描く。とにかくロケット発射のために、貪る。

2010年1月3日(日)

オーウェル評論集を読みながら、僕はその中に書かれている本を一冊も読んでいないことが気にならない。僕は作品自体というよりも、h人がその本をどう読んだということの方が気になるらしい。それはこの前読んだ、読んでいない本を堂々と語る本、と似た感覚なのだが、そのことについて考える。サンタナという音楽を、なんか格好わるいラテン系の音楽と思っていたのに、友人から聴かされたキャラバンサライを聴いた時に、自分の中の思考回路が少し違って見えたときを思い出した。そのようなズレばかりを追い求めているような気がする。知らないものに出会うことを、今年も大事にしていこう。といっても、そんな瞬間なかなか見つかるもんではないのだが、それを見つけるということは絶対にやめてはならない。いつか、その穴に落ちてくるものがある。その時、また何か一つ繋がった気がする。その繋がった線は一体何者なのか。そのことが自分のテーマなのだろう。評論集を読んで、読みたくなった「北回帰線」を購入。そして、エヴァンゲリオン序を借りて、家で読んで、観た。とにかく、今、自分の創造性をくすぐるものを求めている。こういう時は書けない。書かずに、家をフラフラとしている。書きたいものの全体性に何かピンと来るものがあるのだが、まだ掴めていない。しかし、とにかく体は動かしていこう。手を動かしていこう。自分がやりたいものが見つかってから書くのではなく、書きながらにして、何かを見つける。それをやればいいのである。今、進めている仕事も、どれも、自分の中ではなんなのかはっきりしていない。でも、その先に何かあるかもしれないとは分かっている。今年はそんな混沌のまま、進めていきたい、そして、受動的にもやってみたい。去年はかなり能動的に動いてきたが、今年は受けてもみたい。とか、そんなことを考えながら、布団にくるまる。

2010年1月2日(土)

お昼、実家の近くのタッキーというイタリアンへ行き、パスタを食べる。これも恒例になっている。美味。その後、僕だけ、東京に帰ってくる。高田馬場で降りて、原稿を少し書こうとする。太田出版の手直し。その後、読書。復刊されたオーウェル評論集3を読む。これが無茶苦茶面白かった。よく人の作品を批評したがる自分としては、非常に勉強になるし、かなり的確な評論は、まるで小説を読んでいるような気分になった。ヘンリーミラーについての文章と、ディケンズについての文章がすごかった。僕が今、考えていることともシンクロしていたので、非常に参考になる。何か今は、珍しく本を読みたくなっている。本屋でブラブラ。午後6時にマコと待ち合わせ、遅れて、栄吉とリョウも来て、四人で馬場の雀荘、桃太郎へ。打つ。今日はいけそうだなと思っていたら、本当に調子がすこぶるよく。三連チャンで一位。+160で終了。その後、リョウとアイリッシュバーでビールを一杯飲んで、いきなりいつもの頭痛に悩まされ、帰ってくる。家でDJ KOZEのMIXを聴きながら、寝る。途中で、なんか気になる曲が入ってきたと思って調べたら、ビーチボーイズだった。TILL I DIEという曲。

2010年1月1日(金)

朝起きて、雑煮を食べて、みんなで鶴岡八幡宮へ初詣。毎年の恒例になっている。その後、繁茂という店で蕎麦を食べるのも恒例になっている。天ざるそばを食べる。ここの蕎麦、本当に美味。その後、鎌倉をうろつき、帰ってくる。姪っ子とアオと戯れたあと、夕食は、蟹クリームコロッケ。これも恒例になっている。その後、サスケを見た。頭は溶けている。

0円ハウス -Kyohei Sakaguchi-