Ise Journal

Vol01. 初お伊勢参りで魔境へ迷い込む

27th NOV,2006

大学時代の寮の先輩の林さんとひょんなことから、一緒に旅をすることになった。
場所は、伊勢、高野山、そして奈良だ。
今回は僕も海外にいって感じた、「自分の中の日本」をもっと掘り下げたいと思う。
しかし、僕たちはガイドブックも地図もない。
得意の勘だけが頼りだ。
林さんは最近仏教を研究しているらしく、
さらに彼は建築とは無縁だったが、
このごろ気になっているようで、
まっ、とにかく多焦点な旅になりそうだ。
前日に僕が林さんの実家、岐阜の多治見に泊まり、今日はそこからのスタート。
昨日いきなりヒートアップし、朝の4時まで語り合ったので、今日は遅めのスタート。

林さん。
18歳から20歳までの二年間過ごした寮の先輩。
上京して初めて知り合った人であり、
いまだに新しい知について真剣に取り組んでいて、
話していていつ刺激を受ける。
僕の発想の原点でもある。
現在は岐阜と名古屋でカメラマンとして活動している。

今回の旅のお供。NISSAN LAUREL。
乗り心地抜群。
おかげで疲れ知らずであった。
林さんの車。

伊勢までは行きは高速を使った。
そこからの眺め。
四日市工業地帯に入った途端、まわりの風景ががらりと変わりだした。
まるで巨大なロボットのような機械たち。
どこそこで煙がモクモクわき上がっている。
とにかく体には悪そうだ。

工業地帯と抜けると伊勢に近づいてきた。
山の形が東京、九州とも違う。
古代の香りがぷんと香る。

伊勢神宮・外宮。
伊勢神宮には外宮(げくう)と内宮(ないくう)があり、
それぞれ祭っている神様が違う。
通例の習わしとして、外宮から参拝してみた。
とにかく、天皇系の空間は「木」が重要である。
「木」はまた「気」でもあるだろう。

外宮の心臓部、入り口付近。
門には白い布が被さってあり、中が見えないようになっている。
普通の参拝客はこの入り口までしか入れない。
内閣総理大臣はこの一つ向こうまで。
天皇陛下はそのもう一つ先まで。
なんと天皇陛下まで、進入できないところがある。
凄い。人間が踏み込めない領域を人間自体が作り出している。

中は黒と白の石でデザインされていて、神聖さを強調している。
この建物は弥生時代の穀物倉から発展してできたものだ。

あの右の小さな小屋は一体ナンなのだ。
あれは所々要所に置かれている。
伊勢神宮は「ここから入らないで下さい」とかの立て看板は少ない。
紐に白い紙がぶら下がっているだけである。
それだけで立ち入り禁止ということが把握できてしまう。
それぐらい見えない場所エネルギーが働いている。

前々から調べていて、気になってい麻吉旅館。
路地に入ると、いきなりこの風景である。
どこか魔境に迷い込んだかのような不思議な体験。
足下にひかる灯りが一層妖しげを引き立てる。

この旅館は坂道を挟んで、両脇に建物がある。
この写真はその二つの建物を繋ぐ天の橋である。
小さいのに雰囲気がこれで一変する!!
ここは木造6階建て!!!である。
坂道に沿って少しづつ重なっている。
今日ぜひ泊まろうと思ったが、
今日はなぜか店休日であった。旅館が休むか?
まぁ魔境なので何でも起きると納得して、
29日に戻ってくることを約束して、予約した。

麻吉のおばちゃんに教えてもらったうどん屋。
雰囲気最高の渋ーいお店。
伊勢うどん屋「河崎屋」

伊勢うどんはかなり特徴的で、
汁というよりはどろどろとした液体にうどんを付け、
食べるといった感じ。
しかし、これが全然濃くなく、うまい。
さらに親子丼も頼んだ。

麻吉が駄目だったので、仕方なく次の旅館を探す。
見つけたのは伊勢から車で10分。
夫婦岩で有名な二見温泉。ホテル清海。
8畳一間。屋上天然温泉、屋上露天風呂ついて、
3800円也。安いわりにすごくいい。

部屋内部。写っているのは林さん。
久々に浴衣を着る。

0円ハウス -Kyohei Sakaguchi-