Montreal Journal

Vol03. マシューとHabitat'67

24th Nov,2008

時差ボケで眠れないのか分からないが、また朝五時頃起き出してしまったのでそのまま原稿を書き始める。午前8時までに十二枚。その後、さすがに疲れ果て仮眠を少し取り、なぜか徹夜明け風で現場に向かう。

現場に着くと慌ただしく設営が行われている。寒さに慣れてきたと油断してたらどうもまだまだ本格的な寒さではないらしい。しかも、今日の夜から雪がとうとう降るのだそうだ。どうなる0円ハウス。本当に住めるのかい。

ピエールたちが使っている倉庫内にあった廃材を貰ってくる。これが今回の0円ハウスの材料になる。

ピエールの友人であり、今回のフェスティバルのスタッフでもあるマシュー。今日は一日中僕の仕事を手伝ってくれることに。マシューは写真家であるらしいのだが、なかなか自分が撮りたい仕事を獲得するのが難しいらしい。いつでもどこでも色々とある。そんな話をしながら、今日と明日しかないから急いで仕事をする。カナダ人は本当に仕事が早い。僕がこうしたいなと思っていると、それがいつのまにやら出来上がっている。マシュー自体も0円ハウスに興味を持ってくれたので積極的にやってくれる。ありがたい限り。何も材料を持っていかなかったのでどうなるかと思われたが心配無用であった。

材料をカットし、図面通りに並べると、お昼だよーと声がかかり、みんなで野外でケベック風幕の内弁当を食べる。タレのようなどろっとしたスープとポテトと特大チキンとパン。二十人ぐらいみんなで並んで食べる。ようやく言葉もスイッチが入ってきた。

食後もあまり休憩無くすぐ仕事開始。床材があったので並べて使ってみることにした。少しずつ形が出来上がる。

そのまま勢いに乗って続けていたらすぐに出来上がった。今回は初の屋外展示なのでちゃんと防寒用にダンボール、新聞紙などを装備させて中に入るとやはり暖かい。いいかも。太陽光発電も取り付ける。

バッテリーも古いやつをピエールが見つけてくれた。原付バイク用のライトに炬燵用のスイッチを付けるという鈴木さんスタイルで電気配線をして接続し、室内ライトにする。

出発前に、浅草の貴金属拾いの達人に譲ってもらった小型テレビもちゃんと付いた。これで電化製品は完璧である。後は、ちゃんと太陽が照ってくれればいいのだが。マシューの大活躍もあり、午後6時頃にビニールシートで覆う作業を残して仕事終了。マシューを誘って夕食へ。日本食を食べたいというので、Mont-Royal近くにある「たんぽぽ」という店へ行くことに。

たんぽぽなんで、もしやと思ったら、本当に映画「たんぽぽ」に影響をバリバリ受けてそうな良い感じのカウンターがある店で、焼きうどんを食べる。マシューは蕎麦。日本人の女の子がばりばり中華風の厨房で巨大な中華鍋を使って調理してた。

その後、モントリオールのどこに行きたいと聞かれたので、バックミンスターフラーとHabitat'67という細胞が増殖しているようなアパートだと言うと、車で連れて行ってくれた。仕事が終わっても引き続きアシストしてもらう。感謝。今日は夜であんまり見えないから明日も連れて行ってくれるよと言ってくれた。こちらがフラードーム。これはぜひ近寄って見てみたい。

こちらがHabitat'67。ホテルまで送ってもらって午後10時頃帰ってくるが、すぐに雪が降り出した。今見たら、完全に積もっている。帰ってきて、もうちょっと原稿を書く。

0円ハウス -Kyohei Sakaguchi-