Winnipeg & Vancourver Journal

Vol07. 最後のパーティー

6th May,2008

朝7時起床。ベッドからの眺め。夢かと見間違う。カナダに来てから一度も雨が降らない。素晴らしい。

朝9時にこのアパートの6階に住んでいるシャーリンが朝食を準備してくれた。オムレツにマンゴー。光が入り込み、テンションが上がる。

その後、バンクーバー美術館でブルースと会う前に一時間、部屋から徒歩1分のところにあるスタンレーパークへ散歩に出掛ける。白鳥たちがそこら辺を歩いている。気持ちよすぎ。

こういう道をずっと歩いていく。

池では、白鳥たちが産卵をしていて、卵を温めていた。

反対の岸からシャーリンのアパートを眺める。すんごい立地にある。

その後、バンクーバー美術館へ。展示準備中の美術館内を案内してくれる。スタッフたちにも久々に会い、カナダで忙しくなってきた僕の様子を見て、喜んでくれていた。

ガスタウンのパスタ屋でこの旅初めての一人で食事。旅をしている気分がした。変なもんだ。その後、産まれてくる赤ん坊のために、ぬいぐるみやモビールなどを買い漁る。こんなふうになるとは誰が想像したろうか?こういうのはやってみると止められないもんだ。

そして、原さんと一緒に、メイン通りに住んでいるポール・ウォンのアトリエにお邪魔する。

彼と、彼のガーデン。

そして3人で、今回僕の絵を買ってくれた新しいコレクター、リックの家へ遊びにいく。1912年に作られた家に住んでいる。ディナーを御馳走になることに。

家の中に入ると、一番目立つところに僕の絵が飾られていた。信じられない光景。横には、アンディ・ウォーホール、ロバート・ラウシェンバーグと冗談のような作品が並ぶ。

彼は骨もたくさん集めている。

こっちがラウシェンバーグ。

二階のトイレは、バンクーバーの伝説的クレイジーアーティスト、エリックの豹柄作品のオンパレード。ここは使っていない。展示のためだけのトイレ。

リックは僕に、インディアンが300年前に使っていたらしい弓の矢をくれた。

こっちはアンディ・ウォーホール。もう何が何だか理解不能になってきた。

ダイニング。今日のディナーはバンクーバー製のお寿司。こっちの方が魚は美味しいかもしれない。

リックと彼女のドナと作品と一緒に記念撮影。これでカナダの旅も終わりである。今回は、確実にネクストステージに入ってきた。コレクターの反応も今までとは全然変化していた。とにかくテンションが上がった。もっと面白い作品を作り続けようと思った。ブルースも、庭の作品はどうなった?あれをやりたいんだと言ってくれたし、11月にはモントリオールでの次の展覧会も決定した。日本での出版の盛り上がりと比例して、こちらではアートで異常な盛り上がりを見せてきている。ここまでやってくれると、僕はアーティストとしての可能性を感じずにはいられない。何でここまでやってくれるのか?まだ僕の方が分かっていないのかもしれない。しかし、どこのギャラリーにも属せず、完全にインディペンデントでここまでできるということは、とても勇気づけられるし、自分自身、相当の自信がついてきた。これからも、誰からも頼まれないものを作り続けようと思った。それこそ、人が反応してくれるのである。自分しかできない、完全に自立した独立物を作り続けることが、自分自身のテンションを上げ、そして回りにもあるインパクトを与え続けることが出来るはずだと確信を得て、僕は日本に帰ってくることが出来た。

0円ハウス -Kyohei Sakaguchi-